このレビューはネタバレを含みます
「市子」のポスタービジュアルがめちゃめちゃ良いのと若葉竜也が出演しているという事で期待していたけど、ちょっと期待し過ぎたかも。
というか最近こういう感じの邦画多い。
愛していた人が突然失踪して、主人公が捜していく内にその人の本性や過去のことが分かってきて、今まで一緒に居たのに全然知らなかった、みたいな。
もちろん大枠が似ているだけで中身は異なっているし、それ自体が悪いというわけでもないが、ちょっとな…とは思う。
何はともあれ、今作の杉咲花さんのお芝居は圧巻。本当に凄かった。それを観るだけでも十分価値がある。
少しずつ明らかになっていく川辺市子の想像を絶するような壮絶な人生に言葉が出ない。
ただ当たり前に、平穏な生活、普通の人生を送ることが幸せであるのにそれすらも許されず、嘘をつき、逃げて隠れて生きなくてはならない。
好きな人と過ごす事すらも許されない。
そんな彼女が普通という幸せを手に入れるために罪を重ねていく姿はもはや悪魔のよう。
彼女が「にじ」を鼻歌で歌っているシーンこそが川辺市子という人間、そしてこの映画の全てを物語っている気がする。
このシーンが脳裏に焼き付き、頭から離れない。