TakuoAoyama

市子のTakuoAoyamaのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

ロケ地は和歌山県だが、舞台は東大阪。

杉咲花と若葉竜也の名演技コンビ。杉咲花は泣く演技、若葉竜也は自然体の演技が上手。中村ゆりのヤサグレ母も森永悠希の気持ち悪さも良かった。

離婚後300日問題(母が元夫との離婚後300日以内に子を出産した場合、その子は(民法772条)上元夫の子と推定さへるため、子の血縁上の父と元夫が異なる時でも、原則元夫を父とする出生届以外受理されず、戸籍上も元夫の子として扱われる。あるいはこのことを避けるために、母が子の出生届をしないことにより、子が無戸籍になるという問題。)が題材。

冒頭、川辺市子(杉咲花)は長谷川義則(若葉竜也)からのプロポーズを受け、嬉しくて涙する。と思いきや、物語が進むに連れ、この涙が悲しい涙でもあることに気付かされる。

婚姻届を役所に出しに行ったら偽りの過去が大好きな人にバレてしまう。結局また現実世界から逃げ出し、長谷川の前から逃亡してしまう市子。

長谷川は悔しさと真相を突き止めたい思いから、市子を探し続ける。周囲の人に出会いながら、市子の過去を知っていく。

刑事の後藤修治(宇野祥平)からは写真の人物が市子ではないことを聞く。母親の川辺なつみ(中村ゆり)は幸せだった時もあったと話す。母の恋人だった小泉雅雄(渡辺大知)は川辺家を壊してしまった元凶。そしてストーカーのように市子に付き纏っていた北秀和(森永悠希)が市子を匿っていた。

そしてラスト。ぽっと出の自殺志願者と共に北を殺してしまったのか。市子はそれでも生きていく。

くもがながれて ひかりがさして
みあげてみれば ラララ
にじがにじが そらにかかって
きみのきみの きぶんもはれて
きっとあしたは いいてんき
きっとあしたは いいてんき

劇中、市子となつみが口ずさむ「にじ」は、2人が悩んだり、踏ん張らなければならない時に自然と口ずさんでしまう童謡。
TakuoAoyama

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