市子のはるまきのネタバレレビュー・内容・結末

この世の中には、市子のような人が一定数存在する。生い立ちとか、そう言うことではなくて、彼ら彼女らは人の心を掴んで離さない、不思議な魅力を持っている。
その魅力に魅入られてしまった人は、その沼から抜け出せずに、この物語に登場する谷川や北のように、彼ら彼女らを「救いたい」と思ってしまう。しかし、それは当人のエゴでしかないし、救うなんてことは絶対に出来ないと思った方がいい。
それに気づけた頃には、大抵、不幸な結末を迎えてしまっている。

私は、妻が私のことを本気で愛してくれていたと今でも思うし、死ぬまで彼女の味方でいるつもりだ。
けれど金輪際、彼女とは関わりたくないし、どこかで彼女が幸せでいてくれることを、ただ願うことしかできない。