川辺市子は3年間交際した長谷川からプロポーズを受けた翌日に突然姿を消す。恋人でも市子の過去の事をほぼ知らなかった長谷川は、彼女の行方を探すと共に市子の壮絶な過去を知ることになるサスペンスドラマ。
僕が先日見た「ある男」を彷彿させるような身近な人は実は別人。一体誰だったのか？という話。何言ってもネタバレ踏みそうになりますが、出来るだけ簡潔に感想を。
とにかく杉咲花に尽きる作品。まだ20代なのにあまりにも壮絶な人生を送ってきて、自分自身が一体何者なのか分からず心に闇を抱える姿。家族との複雑な関係に悩む姿。そして長谷川との出会いから人生に喜びを見出していく姿。完璧な演技でまさしく市子そのものに見えましたね。
彼女が辿ってきた運命を見て、今自分が送れている日常の有り難さと、それを感じる事が出来ず、人知れずに孤独で苦しんでいる人もいるという現実を思い知らされました。
映画という枠組みに留まらず、まるで劇中の市子や長谷川と一緒にいるような感覚になる作品。終わり方にも様々な意見があると思いますが、これも見終わった人同士で意見を色々と交わしてみたいと思えるものでした。
