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市子のkazのネタバレレビュー・内容・結末

市子(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

公開時から話題になっていた本作。
気になっていたがまさかこんなに早くAmazonさんが観せてくれるとは。嬉しい。

で、だ。

杉咲花劇場。

杉咲花の演技を堪能する作品だった。

お話は終始重たく、心が軽くなるシーンなんて殆どないのだが、目が離せない。

杉咲花演じる川辺市子の得体の知れなさ。勿論、彼女も生まれた家庭が環境が違えば、、、ということは考えられるが、結果として人を殺してしまっている。それも何人も。その死の上に彼女は生きていくという選択をし、これからも生きていくのだろう。

本作のラストを観た後に、市子に幸せであれ、とはなかなか思えない。ただ、婚姻届を見た時の涙や喜びの感情は本物だったと信じたいし、市子が幸せになりたいという想いは伝わる。伝わるが、人を殺しては駄目だ。しかもそれを無かったことにしては。

それから、俺しか守れないという独りよがりのあいつは何故、死んだのか。というか、あいつの人生はなんだったのか。

とか、鑑賞後も色々考える、市子のことを思い出す。そんなことは久々で、ああ、私はこの作品が刺さったんだなと、後から気付いた。

星は4つ。4.3とか。好き嫌いは別にして、3つの作品ではないし、私は本作のことを忘れないだろう。少なくとも市子のことは。


あと、市子の鼻歌は童謡「にじ」。

あと、あいつの部屋の本棚にはダイの大冒険。
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