大正末期、東京。劇作家の松崎は落とした文を探しているところで品子と出会う。その後も偶然が重なり二度品子と出会い、一夜を共にする。しかし、松崎が品子と関係に及んだ部屋は松崎のパトロンである玉脇の部屋とそっくりなことを発見してしまう…というお話。
鈴木清順特集上映ありがとうございます…
華美な美術に難解なストーリーに途中から現状の理解だけで精一杯で解釈など及びもしなかった。
ただ印象に残ったセリフは原田芳雄の発する「調子の抜けた祭囃子」的なフレーズ。これこそが、恐らく物語の筋自体はかなりシンプルであろうが理解しがたいこの映画の世界観を表すものだと思う。
原作読んでないので分からないが、よくここまで練り上げられるものだと原作を読んだ『ツィゴイネルワイゼン』を見た時と同じ感想を抱く。
ワンシーン目から生死の境が曖昧なのは恐らく画面の色の質とか不自然なカットとか立ち位置とか現実では辻褄の合わない演出とかあらゆるものが計算され尽くされているからだろう。結局のところ、どこまでが現実世界で誰が生きてて誰が死んでるか何となくしか分かってなくて、正解を知りたいと思う気持ちと分からないでおいておいた方が良いんだろうなってアンビバレントな気持ちが混在する。
特に、子供の歌舞伎のシーン、歌舞伎の舞台、それを見る映画の登場人物、そしてその両者を見る我々観客という三段階くらいの境界が存在してて、まじで混乱する。
てか最後背中合わせってことは…