ドキュメンタリー監督・藤野知明が、統合失調症の症状を発症した姉と、彼女の精神科受診を避け続ける両親の姿を20年にわたり記録。家族の心の葛藤とその行方を、監督自身の視点で追いかけるドキュメンタリー
満席立ち見で鑑賞
まず第一によく記録として長い期間撮ってたよなあと
その時点で本作は唯一無二の超ド級のドキュメンタリーであることは疑いようのない感想
ひとつの家族の崩壊からほんの僅かな理解まで
時代もあっただろうから頭ごなしに両親を否定することはできないが、それにしても考えを変えさせるきっかけのタイミングは果たして本当に無かったのだろうかと姉の人生を考えると胸が痛い
姉の人生はなんだったのだろうという虚無感
なまじ両親とも研究者だったから頭の良さが…的なところもあったのかなと想像する
とにかくなかなか見ることのできない作品ではあったものの、個人的にはドキュメンタリー作品にあまり言いたくないが、カットすべきシーンもいくつかあったように思う
例えば棺の中の仏さんの顔まで映す必要は無かったんじゃないかとか、死人に口無しとばかりに妻の考えだと主張する終盤の父へのインタビューシーンとか
そういう、生々しさもまた「よく撮った」という人もいるかもしれないが、個人的には故人を辱めてないか？と少し違和感を覚えた
