このレビューはネタバレを含みます
思想やモラルがない映画の中の人物たちの心象のみをひたすらに追い続ける。心象のみの映画って、まるで詩のよう。この映画は大人を完全に否定する。子供のまま死にたいという死への純粋な願望。とても前向きな自死。それは思想ではなく、真理なのだと思う。人間は長く生きすぎなのだ。濱口竜介監督のハッピーアワーや寝ても覚めてもへの強い影響を感じました。三浦友和が三上くんと話す時に「15年後におまえはおれになるんだ!15年経てばもう死んでるんだよ!」と酔っ払いながら話すところが最高潮と思う。自分という存在がもう死んでいることを暗に認めてしまっている。おかしくて、かなしい。