つるみん

ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディのつるみんのレビュー・感想・評価

4.2
カナダで上映回数は少ないもののロングランしていた一作。クリスマス、そして年越しにはピッタリの作品だ。

1970年のChristmas holidayに家に帰れない学生の管理を受け持つことになった堅物な教師ポール。そして問題児の生徒アンガス、学校の調理長であるメアリー。立場が違う孤独な3人が、擬似家族のように過ごす2週間の物語。

『アバウト・シュミット』や『ファミリーツリー』を撮ったアレクサンダー・ペインの新作。コメディベースの脚本でありながら、彼が長年伝えてきた「自分の価値とは?」「生きるって?」という問いにもしっかり向き合っていて大満足。アレクサンダー・ペイン作品はやっぱこうでなくっちゃ!また穏やかでゆったりとした雰囲気も戻ってきて良かったし、何より年末感が漂っていて良い。

幸せというものから程遠い人生を送る教師ポールが徐々に〝人間〟になっていく様、その温かく誠実な友情が芽生えてくる関係性をゆっくりゆっくりと見せつけられる。こっちまで心が洗われるヒューマンドラマ。

悲しみと喜びの融合。この感覚はクリスマス映画という事もあってか、フランク・キャプラの『素晴らしき哉、人生』を思い出させる。ストーリーはもちろん異なるが、マイベストクリスマスムービーの1本となった。

原題のHoldovers=残留者たち、残されたものたち

Keep your head up!!!
つるみん

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