つるみん

マッドマックス:フュリオサのつるみんのレビュー・感想・評価

3.9
ジャパンプレミアにて。

個人的感想を簡潔に言うならば、『ローグワン』現象再び。といった感じ。
前日譚という事で結末が分かっていながらも知らなかった過去に興奮し、『フューリーロード』へと繋がっていく瞬間にまた興奮する。

フュリオサというキャラクターに焦点を当てた〝スピンオフ〟映画としては大成功だと思う。続編ではなくあくまでスピンオフなのを忘れてはならない。スピンオフでこの熱量という事が大事。ジョージミラー以外の80歳近いお爺ちゃんが、これを撮ろうとすると確実にあの世行きになってしまう。それほどの体力とMADな脳みそがないと完成できない。やはり製作陣が狂ってないとね。

そしてジョージ・ミラーにしか撮れない的確なカメラワークは健在。あれだけごちゃごちゃした中で、我々は違和感なく確実に「今何をやってるのか」を理解できてしまう。気付かないだけであって、普通の映画監督が撮れば、中途半端で散りばった非常に煩い画しか撮れないだろう。

『MADMAX 2』のラストシーンを2時間ぶっ通しで映した『フューリーロード』が大ヒットし、スピンオフまで作って…とにかくジョージ・ミラーが凄い。

『フューリーロード』を観てる人からするとイモータンジョーやウォーボーイズが登場した瞬間に感じる安堵があるだろう。またジャックというキャラがオリジナル『MADMAX』のマックス(メルギブソン)を彷彿とさせる衣装に懐かしさも感じた。ダブルバレルショットガンみたいなのも映ったし。

『フューリーロード』を観て、『フュリオサ』を観て、『フューリーロード』を観る事をオススメする。

ただね、腕のシーンは重要なだけあって、もっと熱い演出の上でやって欲しかったな。案外あっさりよ。
つるみん

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