社会のダストダス

エクソシスト 信じる者の社会のダストダスのレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
3.3
『エクソシスト』(1973)は観たことあるけど、知らなくても多分問題ないと思います。

今年は悪魔憑き系のホラー映画が『ヴァチカンのエクソシスト』と『死霊館のシスター 呪いの秘密』が公開され、それぞれが成功と呼べる成績を残したなか、評判があまり芳しくなかったこの『エクソシスト』の続編には不安を感じたものの、元祖の底力を見せて欲しいところだった。

可もなく不可もなく…というのが正直な感想だけど、酷評されるほどのものでもないかな。悪魔に憑りつかれるまでが少々長いけど、体感時間では同じくらいの尺のヴァチクソやシスターよりも短く感じた。同じ悪魔に二人同時憑依されるというのは面白い、子役二人の迫真の乗っ取られ演技もオリジナル版に迫るものがある。

ただ、3部作を前提とした作品のようで、本作だけでは消化不良な部分が遺してあることも事実。73年版を必ずしも観る必要はないけど、少女二人が失踪してから悪魔に憑かれるまでの3日間にどこで何があったのかや、何故正式な悪魔祓いをしなかったのかなど独立した作品としては完結してない。

現代においても正式な悪魔祓いにはローマ教皇からの許可が必要だというのは面白い。『死霊館』シリーズとかだと許可を待っている間に状態が悪化して決行するみたいなのがお約束だけど、今の時代なら 神父「悪魔祓いしていいー?」 教皇「いいよー」でLineでそのやり取りは1分で終わりそうである。

エクソシストといったらコレの首が180度後ろに曲がるやつが、応用パターンで出てきたときは怖さよりも嬉しさが勝った。舞台設定を現代にした悪魔祓いの作品もあまりないので、二人の心電図がシンクロしている描写なども斬新で面白かった。子供二人を交互に使って悪魔が喋るのも不気味で良い。

最後あれだけ警察集まって来ちゃってるけど、“悪魔のせいなら無罪”で通せるのだろうか。