さすらいの旅人

エクソシスト 信じる者のさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)
3.4
★前に進むには時として後戻りも必要だ
【VOD/music.jp動画/ポイント配信視聴/ビスタサイズ】

傑作「エクソシスト」の正統な続編との事だか肩透かしだった。

確かに前作の母親役のエレン・バースティンの再登場や、お馴染みのテーマ曲で多少は前作の雰囲気は感じる。しかし、肝心の悪魔祓いに関しては今流行の多様性のせいかあまり迫力を感じなかった。人の弱みを徹底してつく悪魔は健在であるが、手に汗握る展開まではいかなかった。かえって前作の素晴らしさを改めて感じさせてもらった。

出演者が多すぎたのも混乱の一因であった。悪魔が憑依する少女二人はいいとして、それを取り巻く人たちが多すぎる。前作のカラスとメリン神父みたいな強力な人物がいないのも今一物語の重厚性を欠いていた。また、悪魔が少女に憑依する過程がしっくりこない。夜の森を散歩している途中だか説得性に乏しく恐怖感もあまり感じられなかった。

辛口レビューになったが、ハイチのオープニングシーンやアメリカの秋の寂しい風景描写は映画的で良かった。