さすらいの旅人

リプリーのさすらいの旅人のレビュー・感想・評価

リプリー(1999年製作の映画)
3.6
★指輪には細心の注意が必要です
【VOD/Paramount+/配信視聴/ビスタサイズ】
 
ルネ・クレマン監督の「太陽がいっぱい(60)」に次ぐ2度目の映画化だが、前作のイメージが壊れることを恐れて長年未見の作品。
本作の方が原作に近いらしいが、前作のアラン・ドロンをはじめとする俳優陣の演技やクレマンの演出には全くかなわない作品であった。まあ、別物と言う認識で観ればそれなりに楽しめたが…。

別人になりすまして、バレるかバレないかのハラハドキドキはサスペンスフルに溢れて良かった。しかし、海上における殺人場面の演出などは普通であり、前作の荒波を利用した場面転換による演出には遠く及ばない。また、前作のニーノ・ロータによる哀愁を帯びた音楽が伝説的であり、ラストの大どんでん返しには大変驚いた記憶がある。まあ、本作のクラッシックとジャズの使い方は面白かったが作品レベルを上げるほどではないような気がする。

結論から言うと別物としてはまあまあだが、前作には全く及ばない作品と言える。