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悪は存在しないのmaryのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.2
『ドライブマイカー』でもそうだったけど、車中の対話シーンがとても好き。あそこから2人の本心が見えたし、物語的な転換部分でもあって、自然な流れで入り込みやすかった。
雪解けの季節が舞台で全体的にテンション感が低く指先がじんわりと冷えるような、すごく寒々しい雰囲気なんだけど、その中に見える一人一人の行動や言葉がとても情熱的というか、無表情の中に燃える炎みたいなものがとても良くて、美しかった。

OPとEDの木々を見上げながらゆっくりと前に進む誰かの目線や、前進・後進する車、死んだ子鹿、霧の中に埋もれて遠くを見つめる黛、印象的なシーンがとても多かった。

ネタバレになるので言わないけれど、言わずもがなのラストシーン。あの場面に込められた意味は一体なんだったのだろうと、悶々と考える。
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