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悪は存在しないのヤマハのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

自然のゆったりとした時間の流れを長回しの映像で感じさせつつ、濱口監督ならではの物事の本質を突く会話劇がウィットに富んで見応えがあり、さすが銀獅子賞作品と感じた。
自然と開発の対立問題としてドキュメンタリーのようなリアルなシーンを描きつつ、意味深なラストは映画的!





以下ネタバレ含みます


見終わった後にラストシーンについて色々な解説を読んだが、自分なりの解釈を持った

まず父親の巧と高橋は、花と手負いの鹿が向き合ってるシーンを見るが、それは巧の空想で、実際は花は既に手負いの鹿に襲われた後で倒れている所だったと思われる

巧が高橋を襲った理由は、直前の車の中で語っていた話で、鹿は手負いかその親鹿は人間を襲うと語っていたから、高橋(達)のせいで娘は鹿に襲われたと思い、鹿と同様の行動を取ったと思われる。
巧は自然(鹿)的な行動を取ったから、そこに悪意は存在しないのかもしれない。
むしろ、上流(都市)の人間を受け入れたことによる悲劇のバランスを取っただけとも考えられる…

巧は銃声の度に娘を案じたり、鹿の生態に詳しかったりしたから、鹿と同等な存在だったとも言えそう
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