ふくふく大福

悪は存在しないのふくふく大福のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.2
ラスト、えっ!これ何なん!!?
えーーーーー……???
って、一気にあさっての方向に連れてかれる
すごい映画体験!

水挽町のような集落で生まれ育ち、10年以上東京に住んでいるので、対比をとても面白く観ることができました。
初めて東京のシーンに切り替わったときは、せまっ!汚なっ!と思ったな。うまい演出。
でも、集落は美しいけど暮らすには不便で排他的だなとも改めて。
どちらが良い悪いではなくて、巧が言うようにバランスだよね…。

印象的だったセリフ
・俺は暇人じゃない。金にも困ってない。
・思ってるより、バカじゃないですよ。
・俺は結婚したいよ。寂しいもん。/私は結婚したくないですね。割と明確に。
神格化と見下しは表裏一体で、
土地も人も容易く馴染めるような簡単なものじゃない。

東京では下北沢と渋谷という都会の超ど真ん中の小劇場でしか観ることができないというのもこの作品に関してはひとつの表現なのかもしれないと思った。

濱口監督にはこれからも良い意味で非商業的で変な映画をたくさん作ってほしい。