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悪は存在しないのsyriacusのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3
東京ですら渋谷と下北沢の2館でしかやってないからか満席だった

冒頭はずっと石橋英子さんの音楽に水挽町の風光明媚な景色が映されてた
誰かが初めて話すのは体感10分以上経ってからだ
その最初のセリフを聞いたとき思わず、ん?ってなった
なんとなく棒読みというか、、
確かに何も考えてなさそうな人物(巧)が話たからそう聞こえたのかもしれないけど、俳優も知らない人ばっかで素人なのかなとも思ったりもした

でも巧はなにも考えてないように見えて、しっかり考えている芯のある人だった
グランピングの説明会のときに強くそう感じた
ちなみにこの説明会のときの町民の意見が脚本賞だった

映画館全体が連続で笑いに包まれたシーンがあったんだけど、そこのシーンより個人的に笑えたしお気に入りのシーンが芸能事務所の2人が水挽町に向かう車の中でマッチングアプリについて話しているシーン
ひとつひとつのセリフがリアルでさすがに笑ってしまった笑
マッチングアプリしたことある人は是非観てほしい笑

「悪は存在しない」というのは主観的には誰も悪くないということだと思う
客観的に見ると自分たちと立場の違う人間は邪魔者だし厄介者にみえる
ただし、それは人間だけに当てはまること
なぜなら “悪”っていう存在を作り出したのは人間だからだ
野生の動物にとって善も悪もない
ただ彼らの命が脅かせれそうな時に闘うだけ
それが人間からすると “悪”として捉えてしまうのかも
最後のシーンはそういうことなんじゃないかな
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