このレビューはネタバレを含みます
なかなか評価の難しい映画と思った。
タイトルを通して、観客は悪とは何か？同時に善とは何か？を探すゲームに参加することになる。
これは怪物(なあ－んだ？)と同じ仕掛け。
中盤になり、都会と自然という分かりやすい対比を提示される。
これは告知済みなのでサプライズは無いし、バランスという回答の候補まで提示してくれてとても親切。
対比は離れたり、すこし歪んだりしながら主人公の娘の行動が変化していく。
そして、ラスト。
主人公の行動はバランスを取るためのものなのか？
それもちょっと違う気がする。
帽子をとる仕草、写真で提示される妻の不在などヒントっぽいものは丁寧に配置されているが、正解などあるはずがない。
映画体験をすること、感じること、思考することが大切だ。多くの人にとって品格のある濱口作品の入り口になるのではないだろうか。
