涙腺ブカブカマダム

悪は存在しないの涙腺ブカブカマダムのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

映画が終わり、じりじりと列をなして退場している時の場内の緊張感が忘れられない。不足を埋める。過剰なものは減らす。やり過ぎたら壊れるから、便利屋としてバランスを取ったのか。今作の精神性を参考にしたものとして監督はエリセの『ミツバチのささやき』を挙げているが、今年の2月に同劇場の同じスクリーンで観ていた事でより多層的に観れた気もする。途中結構大きめの笑いが起きていたけれど自分はずっと不穏な気持ちで、いち移住者として背筋が伸びるというか、謙虚に生きねばと思った。巧みたいな会話の間が独特な人が一番緊張するな。食後の車内で煙草吸い始めた時は心臓がギュッとなった。立見席まで一杯で圧倒された。