悪は存在しないのaiのレビュー・感想・評価

悪とは何なのか考えてしまう。この物語に純粋な悪人はいないし、善人もいない。劇中で起こるいくつかの不幸な出来事に誰もが少しずつ因果を背負っている。明らかに破綻が見えているずさんな計画がなぜ実行されるのか、現実でも同じようなことが起きていて、それを止めることがどれほど難しく、大きな犠牲を伴うかが示唆されている。美しく残酷な自然と、弱くて愚かな人間とが、薄氷のようなバランスの上で成り立つ生活の危うさを感じる。