シネフィルFUKUHARA

悪は存在しないのシネフィルFUKUHARAのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

人間同士お互いをリスペクトしつつ話し合いが大切で、そして野生動物には適切な対応が重要だが、どちらも簡単ではない。「これが正解」が無いのだ。
3部構成の、2部の辺りで悪者はいないと感じさせる演出が上手だと感じる。
当然 音楽がとてもマッチしている。

個人的な3部目の鑑賞中の解釈は、花が鹿と対峙しているが「どれだけの時間対峙してたのか」そう考えると不自然だと思った。8歳の子どの表情に悲壮感が無かった。しかし父親の教えで「手負いの動物への対応」を思い出して8歳なりに動かず助けを待っていたのか?
見つけた父親の巧は、手負いの鹿の傷口に気付き刺激しない様に、騒ぐ高橋を子どもの為に締めたのか?花を守る為に。
しかし手遅れだった。高橋をホールドしてる間に鹿が襲って子鹿と共に去ったのか? 違和感がある。

鑑賞後に考えた3部目の解釈では、巧は花を見つけた瞬間に横たわっていた姿を見たのでは? 実際にそばに手負いの鹿を見たのか?鹿の親子も想像だったのか?銃弾の後はどっちにあったのか? おそらく鹿の姿は全部想像だ。
しかし既に倒れてた花を見つけたのなら騒ぐ高橋を締める理由は無いのではないか?
いや、「都会から来た奴らのせいだ」と怒りで気が動転して締めたのかも知れない。答えは無いのだろう。
都会の二人が来なくても、お迎えの時間を忘れてた巧の責任は一番大きい。
もともと娘の花に「勝手に帰らず、俺の迎えを必ず待ってろ、と教育すべきだった」と後悔があったのか?自分が許せず手負いの獣の様になってしまったのかも知れない。

− これは、君の話になる −