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悪は存在しないのsmilemanのネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

不穏さは最初からあった。暗い木々を下から仰ぎながら進むオープニング。突如とまる音楽。チェーンソーの音すら不安を感じる。そしてなにより、自然側からの視点。丘ワサビと鹿の死骸だ。自然と人間の境界を超えたシーンだった。あと、うどん屋での巧のカメラ目線のようなもの。

目の前に問題、危害があるにも関わらず、利益の為ならそれを無視する。これは誰もがやっちゃうことだなと思ったら。上から流れて来た問題を抱え東京から来た2人と巧(自然)のバランスはだんだんとよくなっていくように思えた。しかし、どこか不穏であった。鹿はどこを通るのか。

ラストの展開は衝撃的だった。霧で囲まれたあのシーンはとても美しい。鹿は、もののけ姫のシシガミのようだ。巧はやはり、自然の化身というかメタファーみたいだと感じた。だから最も人間らしい、自然を理解しているようで結局は人の立場でしかないおっさんをしばいたのでは。自然において悪は存在しないということでいいのか。

まあとりあえずは映像が美しいし、高速道路での車内での会話のシーンはめっちゃ好きだった!カメラのドリー(軽トラらしい)の並行移動も多用してたけど、特に巧が一回隠れてでてきたときに、花をおんぶしてたとこおもしろかった。
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