ルマンド公爵

悪は存在しないのルマンド公爵のレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.8
Bunkamura7F E10 良くない HIJくらいの11,12かな
(途中)
たまたま東京に来てたため運良く公開初日に観れた。多分映画を公開初日に観るのは初かも。

映画館bunkamuraの感想。めちゃお洒落。キャパも相当デカく映画以外でも使われるのかな?座席行間隔は広かったが列間隔はむしろ狭いくらいだったかも。概ね良いが前列の方は傾斜が無かった。E席よりは後ろ、GHIくらいが良さげな感じ。

ドライブマイカー見た時は個人的に結構衝撃な展開だった上、今回はタイトルもタイトルなので序盤からずっと気張って見てた。ただ序盤は正直寝不足や食後というバッドコンディションだったため寝落ち寸前。目が覚めたのはグランピングの話辺りから(町の人初登場シーンは町長のセリフとかが聞き取れなくてちょい焦り)。

なんか全体的にPerfect Days味を感じた。序盤の巧の日々のルーティーンからラストの「ここで終わるかぁー」って思っちゃうところまで。

一番最初は下から森林をひたすら(体感4,5分)進むシーン。あれは映画上は花の視点という風に繋がった。が、個人的には水の流れだったり、生きている鹿というのも表現してるのではと。まぁとりあえず最後のシーンとの対比で明るい描写だったため序盤はみんな生きてるというのを表してるんじゃないかなぁ。

最後のシーンはそれが夜になり、花を抱え走る巧の吐息が入る。対照的に花や高橋、そして白骨化した鹿、負傷してた鹿を表してるのかな。(殺人をした巧も?)

グランピングの所に話を戻すと、気になったのはうどん屋の男の人が花に似てる子の写真を持っておりピアノを触ってた部分。あれは何だったのか。
そして町長の息子(?)が鳥の羽で楽器を作っているというのも。結局花はそれに興味を抱きあの結末になったとも考えられる。

グランピング町内会議。正直言ってこの映画を見ているような人はほとんど東京側の人間だろう。それを渋谷や下北沢で最初に上映するという皮肉。黛が言っていたように綺麗事がないあの企業全体の雰囲気は現実味があって良かったし、実際東京で生きていくにはあれくらいは普通だろう。あの社長だって上にもまだまだ偉い人がいてなんだかんだ中間管理職みたいな役割もしてるんだろうし、稼ぐためには必要な行為。何もあの企業から悪というのは感じなかった。それを割り切ってる黛は生き、ブレて中途半端な思考になった高橋が死んだのも面白い。弱肉強食。
グランピングの話や黛と高橋の会話はやはり自分は都会の人間のため高橋に感情移入してしまう。高橋はなんだかんだ良い受け答えをしていたが自分は絶対に高橋みたいな受け答えはできないためずっと自分だったらと思ってしまいドキドキしてた。

花が失踪したシーン。巧高橋以外の町民が捜索してる時は懐中電灯がいるくらい暗かったが問題のラストはそれよりかは明るい気がした。時系列を変えてるのかな。(そして問題のラストのくらいの夕暮れ時に黛が家の中に入ったり、町長が家にいるシーンになんか疑問を抱いてしまい、計画的殺人なのではとか思ったりした(多分絶対ない))。

問題のラストは鹿は絶対に襲わないと断言した巧が「手負いの鹿は襲うかも」というので襲ったと解釈した。
手負いの鹿に近づいた花を助けようとした高橋を親である巧が止め両方死亡。そこで不意に巧の妻 、花の母がいないことに気付き、もしかしたら巧は妻も殺す、もしくは見殺しにしたのではないかとも思った。

ラストのシーンは霧が濃かったりしたため誰かの幻想なのではとも思った。
あと2人共死んだベースで書いてるけど幻想というのも含め生きてるパターンも全然あると思ってる。