Takumasuzuki

悪は存在しないのTakumasuzukiのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
5.0
空間に意味をもたすとそれだけで観ることができます。
上から下へ流れていく。大都市のリズムと郊外のリズムの違いが浮き彫りになっています。
話し方、タバコの吸い方。大都市の人間はよく喋り演技的で、田舎の人間は人の話をよく聞いて良くも悪くも正直。
大都市の人間は空想に生き、地方の人間は想像して生きている。
東京が郊外をバックヤード化して欲望を吸い上げるシステムを作り出す。観光化する事で共存できるかのように見えるがそこにある長く続いてきた秩序を破壊し、空間を破壊し平均化していく事でその空間も死んでしまう。しかし、郊外もアップデートしなければそこには代謝が起きずに滅んでしまう。
作品の受け止め方は人によって違います。
その心地よさがありました。
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