異様に長いオープニングシークエンスをぶった斬るチェーンソーが出てきたところから「もうこの映画絶対面白いやつだなぁ」となりました。
アート映画然としているのに普通にめちゃくちゃ面白いのがまず凄い。
善と悪、田舎と都会、人間と自然、現実と想像、映画と観客などのあらゆる二項対立を想起させられる上に、それらの区分がいかに淡く、行ったり来たりするものであることを考えさせられる。
作品をカメラ主観で捉えて「これは誰の視線なんだ?」と考えるとゾワゾワしてくるのでおすすめです。LAMBを少し思い出したりも。
濱口竜介作品はこれまでドライブマイカーしかみておらず、摂取不足なところがあるんだけど、2作ともハマったから過去作もちゃんと観てみよう。
今作は石橋英子と始めたプロジェクトなだけあってサントラもかなり良かった。そしてそれをめちゃくちゃ自由に扱う監督との信頼関係も素敵。