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悪は存在しないのhabakariのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.5
予言的(伏線回収ではない)。アヴァンの見上げる少女と見下ろす男の対比。葉を踏む軽やかな音とチェーンソウの爆音。鹿の死体を見つめるふたりの女の末路。影と煙はスクリーンのこちらとあちらの決定的な断絶を予告する。ゴダール的要素の積み重ねの先にあるトリコロールの悲喜劇。
リアウィンドウからの長回しにまとわせた不穏さ(画面が揺れる瞬間の驚き)、正対ショットの間抜けさと暴力性の両立はやはり刺激的。
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