ぽんぽこ

悪は存在しないのぽんぽこのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
3.8
濱口竜介監督、初です。
ノーマークで最初は観る予定ではなかったのですが、ラストが衝撃的とか評価が高かったので、上映してるうちに行っとこと思い立ち出掛けると、サービスデーや時間帯がお昼というのもあってか、老若男女9割埋まってました。


長野県水挽町で、小学生の花(西川玲)と暮らす主人公の巧(大美賀均)。       水挽町と言う名前からして、水がパワーワード。
自称便利屋という彼は薪を割ったり近くのうどん屋で使う水汲みを手伝ったりしています。
花は、いつも1人で行動していて友達と居るのは見た事ない子。
そんな彼女は下校時間に迎えに来るはずの父はいつも忘れているので、期待していないのか、1人で帰る女の子です。
ある日、東京の芸能事務所がコロナ対策でグランピングの設置計画が持ち上がり、その説明会の為にやって来た高橋(小坂竜士)と黛(渋谷釆郁)が説明するのですが、住民は、コロナの助成金目当てでそもそも悪印象だし、浄化槽が皆が使う命の根源である水を汚染し、都会の喧騒を忘れたい人が羽を伸ばしにくるので火事も懸念しているのでした。


序盤から人が出てくるまでが長くて、癒し系の曲が流れているので寝そうになりました。
出演者が誰一人知った俳優じゃないのがかえってリアルで面白かったです。
高橋と黛ペアの黛さん、スキージャンプの高梨紗羅にちょっと似ていて朴訥と話す所なんて素人の説明会みたいで上手でした。
急にブツっと曲が止まるのもメリハリがあって良かったです。一瞬緊張感が走る。

髙橋、黛は会社から言われた通りに説明するのですが、当然そこに住む住民は納得できずに、反論します。
会社に帰り社長にオンラインで伝えても、知ったこっちゃない感じ、常時居てもらう管理人をその便利屋の巧を巻き込んで、してもらえるように今から説得しろなんて言う始末。
その、皺寄せは高橋と黛。

あんなに住民に叩かれてイヤやけどしゃーなしに向かう2人が車内でプライベートな話しなんかも話して、住民からしたら敵だけど、なんら普通の人です。
巧にも色よい返事貰えないし、さっき一回たまたま上手く割れた薪割りで、気を良くして、なんなら自分が管理人してもいいかななんて、調子のいい事を言う高橋。
野生の鹿は人に近づかない。
近づき過ぎたのは高橋も。。。?
鹿はどこに行く?
どこか別の場所にの、高橋に無言の巧。
鹿は住民で、イヤなら別の場所に行けよって解釈した?


夕方に花が行方不明になり住民総出で探します。
羽を取るのに夢中な花に区長があまり奥まで行ったらダメと忠告していました。
鹿の縄張りである水飲み場に侵入して行った花が鹿に突かれた?
巧は高橋達を乱入者みたいに快く思ってないけれど、自分も鹿目線で見たら十分、乱入者やぞって事???
ラスト思わず、えっ⁈って声が漏れて、暗闇の中、ハアハア言う声も、もしかして必死に彷徨う高橋?とか頭引っ掻き回されました。
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