このレビューはネタバレを含みます
娘と手負いの鹿の長い見つめ合い、気持ちが通い合ったのか、娘は敵意のないのを帽子を取って示しながら、少しづつ鹿に近づいた。慰めてやろうとでもしたのだろうか。
すると、オレンジ服の男は危ないと思い、娘を助けようと声を出して駆け足で走り出す。父はすぐに娘の危険を察知してオレンジの声が出ないように首を絞めて、身動きできないように押さえつける。
今まで見つめあいながら長い時間かけて作ってきた手負いの鹿と娘とのバランスが一気に崩れ、鹿はさすがに軽くではあるが、娘を攻撃したようだ。
「手負いのシカは危ない」とオレンジに教えたのに、彼は鹿を刺激してしまった。
自然界には悪は存在しない。微妙なバランスがあるだけ。でもその自然界の中に悪意や愚かさが入ってきてバランスが崩れる。
オレンジの彼には、村に住む資格などはない。そもそも彼には村に住むことなど不可能だろう。さらに、とても彼らとは共存できそうもないと父は悟る。
父はオレンジを置いて去ってしまった。
エンディングは、こんな感じかな。