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悪は存在しないのmikoboのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
5.0
ずーっと恐怖が漂っている映画だった。

これが怖くて灯りを灯して身を寄せ合って、それでも怖くて境界線を引き里山を作り、自然を遠ざけてきたんじゃないか。と思った。

安易に将来はグランピングの管理者となり、自分の生活の一部に自然入れていくと息巻く高橋に、(試写会では笑いが起こったらしいが)笑うことはできなかった。

説明会におけるグランピング開発の企業側は一見、悪として写ってしまうけど、また彼らもまた、生き抜くためにそうするしかなかったという視点が描かれる。さらにこの場面では、"便利屋"という職を聞いて「暇だろう」と短絡的に判断する様も一見して悪として映るけど、資本主義社会で生き抜く上で、そのような思考が身についたのだろう。

こうやって誰がこの世界で悪であるかを考えるために視座を変えていき、「悪は存在しない」という結論に至ろうとすると、、、

でも高橋みたいにその時、そう感じた。という気持ちは本当だからそのままで良いと思うし、私もそれを大事にしたいと思って生きている。ただカオスを受け入れることはストレスだから
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