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悪は存在しないのhrtk5150のネタバレレビュー・内容・結末

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

楽しみにしていた濱口竜介監督作品、遅ればせながらようやく観にいけました。事前情報はまったく入れず、たったいま劇場から出てきたところで感想を言語化できませんが、この感覚の記録をしよう綴っています。上映開始から山の暮らしを音楽と映像で見せること30分、じっくり染め上げた心の色を揺さぶりながらラストで一気に回収する荒技。いや、そもそも回収というほど具体的に結論が示されるわけでもなく、解釈は鑑賞者に任せるというほど放り投げてもいない。どう受け取るかは靄に包まれる早朝の山の如く。微かな道が示されている程度なのだが、その力加減が大変に心地よい。リアリティとは逆側にある棒読み台詞もクセになっており、個人的に濱口監督の作家性がたまらなく好き。本作においては考察などの深掘りはせず、受け取ったままの余韻を咀嚼し味わいたいと思う。
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