イクル

悪は存在しないのイクルのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.3
「そこは鹿の通り道だから」
自然状態では悪は存在しない。
自然と人の共存。
流れる水、聳え立つ木々、風のせせらぎ。
本質的に人は自然を意識し、生きるために利用する。そこにはバランスが伴うし、どちらかに傾くことは許されない。
自然への人為的介入、それは歴史が証明してきたように、常に破壊が伴ってきた。
破壊は何も生まずに、生活と自然の均衡は常に生活に傾いている。
そんな中で起きたグランピングの設立計画。人為が自然に介入する恐怖は計り知れないものであり、彼らの生活を守ること、それは自然を守ることとイコールであった。
ラストのシーンは、すごく暴力的であったし、度が過ぎたり的な解釈もあるかも。
でも、あれほど強力な力を用いる以外に、人と自然が共存できる方法はあるのだろうか。歴史や専門家が語るのは釈迦に説法、隣人の力がそこにあるべきで、それは時に物理的な力で持って制御する必要もあるのではないか。そんな考えが、あった。
イクル

イクル