MasaichiYaguchi

ハピネスのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

ハピネス(2024年製作の映画)
3.4
嶽本野ばらさんの同名小説を、窪塚愛流さんと蒔田彩珠さんの共演で映画化したラブストーリーは、掛け替えのない奇跡のような出会いをエモーショナルに描いていて胸を打つ。
高校の美術室で出会い恋に落ちた雪夫と由茉は、幸せな日々を過ごしていた。
或る日、雪夫は由茉から突然、彼女の余命があと1週間しかないことを告げられる。
心臓に病気を抱える由茉は既に自分の運命を受け止めており、残された人生を精一杯生きようと決めていた。
憧れていたファッションに挑戦し、大好きなカレーを食べに行き、そして何よりも残り少ない日々を雪夫と一緒に過ごしたいと話す由茉に、雪夫は動揺しながらも寄り添うことを決意する。
一週間で死んでしまう彼女との物語なのに、何故タイトルが「ハピネス」なのかが、終盤の展開や台詞が分かってくる。
愛する人との出会いや一緒にいられること、そんな日常的なことが如何に「奇跡」なことなのかが、戦争や災害で日常が失われていく様を目の当たりにしているこの頃、本作を観て、改めて感じます。