人に歴史あり。
人生に悲哀あり。
この点が強く印象に残る映画でした。
黒髪長髪ではないアダム・ドライバーが新鮮でした笑。
やっぱり演技上手いですね。
妻ラウラ・フェラーリを演じたペネロペ・クルスも悲哀を抱えた激情的なラウラを熱演していて存在感抜群でした。
フェラーリに対する知識は大して持っておらず、いわゆる高級車、レーシングカーでもある、イタリア車みたいな浅い知識でしたが、レース映像の迫力が良かったのと、フェラーリの創業者であるエンツォ・フェラーリの生きた時代や人物像が描かれており、人間ドラマとしても見応えがあり、物語に没入できました。公道レース"ミッレミリア"が中終盤に盛り上がっていくようにストーリーが組まれているのでその点が没入感を高める効果を出していると思いました。
エンツォ・フェラーリ本人は経営者としての手腕はあるようですが、エンジニアではなかったようなので、その辺りは脚本の工夫でしょうか。ただ、レーシングドライバーではあったので、メカには詳しいのかなと思います。
マイケル・マン監督は実際に時速160キロ(100マイル)で走行可能な車を要求したそうなので、その辺りのリアリティは十分な迫力が出ていました。
フェラーリなど車が好きな人にはもちろん楽しめる映画になっていますし、冒頭に述べた人に歴史あり。人生に悲哀あり。が感じられるドラマも描かれているので、フェラーリはあんまり知らないし、興味ないけど、アダム・ドライバーは良い役者さんだと思う、という人や、フォードvsフェラーリ、キリング・フィールズ 失踪地帯、パブリック・エネミーズ、コラテラル、ヒート、インサイダーとかが面白いと思った方なら、本作もマイケル・マン監督作品なので、楽しめると思います。