ピノチェトが吸血鬼だったら？
"死にたい"…遺産など長く生き続けることの弊害、出てくる様々な問題に目を向け日を当てる。人間の欲深さ、醜く強欲な面を司る。また、誰を噛む＝永遠の命を与えるか？だって、吸血鬼の心臓が一番おいしいのだから。
狩りに行くために飛んでいくの魅力的、あそこのカットやシーンの雰囲気好き。それくらい浮遊・飛行シーンの美しさたるや！パブロ・ラライン監督によるモノクロ撮影による、母国チリ近代史にインスピレーションを受け、それらを絡めたホラーコメディは小難しくやや眠くなりそうになりながらも魅惑的だった。好きかどうかはともかく興味深く見ていられる。
いい加減死にたいのに死ねないし、血で血を洗う(？)骨肉の醜い遺産争いを展開しそうになる子供たちに加えて、妻は自分を吸血鬼にしてとしつこくせびてくる始末。クリシェながら妻が執事と不倫するように飽きも来る？そんなこんなで悪魔祓いのために教会から派遣されてくる若い女性の登場がさらに場をかき乱す。
言ってほしいことは男に、してほしいことは女に頼みなさい
勝手に関連作品『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』『ダーク・シャドウ』
