映画「あの歌を憶えている」
fan’s Voiceさん のオンライン試写にて鑑賞。
過去の辛い記憶に囚われるソーシャルワーカーの女性シルヴィアと若年性認知症で記憶に障害ある男性ソール。そんな2人をジェシカ・チャステインとピーター・サーズガードの名優達が演じる。
原題がMemoryとなっているように、本作のテーマは記憶。彼ら自身の人生も家族をも捕らえて離さない「記憶」という存在が、結果見知らぬ2人の男女の心を繋いでいく。2人の境遇に説明不足な点やツッコミどころが無いわけではないが、記憶に障害を抱える2人しか理解し合えない繋がりに深く感動する。
特に最後20分に訪れる怒涛の展開が絶望にも希望にも溢れいて感情を持ってかれる。
そして記憶を超えて2人の心を繋ぐのが、英プロコルハルムの名曲「青い影」。この曲が劇中何度も流れ、その度に2人の距離が縮まる。初めはソールの思い出の曲だったこの曲が、本曲のベースになったと言われるバッハのG線上のアリアを聴いたことで2人の曲に変わる脚本が見事。
エンディングで再度流れる「青い影」がなんとも心に染みいる。