あ

あの歌を憶えているのあのレビュー・感想・評価

あの歌を憶えている(2023年製作の映画)
3.9
試写会で鑑賞。
友達の誘いだったので、出演者以外の情報を全く入れずに見たもんだから、最初は唖然…。
というのも、異様に神経質な女性と不可解な行動をする男性が同窓会で出会った(というか、男性が女性の事を付け回して家までくる…)事から始まるから。
でも、話が進むにつれて、女性は過去にトラウマがあって男性恐怖症ぎみになり、男性は認知症で記憶があやふやになってたりと、それぞれが原題の“記憶(Memory)”に囚われてる話を描きたいのだという事が分かってから、理解度がクリアになったんだけど。。。
監督は設定厨なのか、主人公達以外にも記憶に囚われた人が続々と出てきて。
テーマだから、色々とぶっ込んだ気持ちはわからなくもないし、主人公達が抱えてる記憶によって周囲も影響を受けるという話の広げ方は上手いとは思ったけど、ちょっとやり過ぎかな?と思ったし、その割には主人公達の心の動きはあまり語らず、主演二人の演技力に任せきり。でも、だからこそ今作の質?品格?が底上げされた感はあるけど、ちょっとおんぶに抱っこが過ぎるかなあと。
という訳で?、最近はお家芸かな?という位にギリギリのとこまで追い詰められて心身ともに擦り切れている演技の上手さに定評のあるジェシカ・チャステインに、これまでの凄味演技を一切封印して、穏やかな佇まいの中にも欠けた自分を求めて所在なさげにしている哀愁漂う男が女性と出会った事で次第に喜怒哀楽を取り戻していくピーター・サースガードの演技は秀逸!そして、主演二人だけでなく、脇を固める面々も堅実な演技で物語をよりリアルな物にしていて良かった!
良かっただけに、もっとすんなり?没入感を持たせて見せて欲しかったなあ。
あ