のわーる

DOGMAN ドッグマンののわーるのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.8
ホラー映画の観すぎで、DOGと聞かれたらGODと答えてしまう…そんな体質の僕のために作られたのではと、勘違いしそうな冒頭から物語が始まる。もうワクワクが止まらない。ちなみに僕はネコ派。

ただし内容はホラーではなくヒューマンドラマ。虐げられて傷つき、それでも抗って生きてきた男性の人生を描いたもの。
犬を抜いたら、キャラ的にも内容的にもジョーカーっぽいところがある。

犬の行動に愛を感じられるのは、家族から愛されなかったから。傷があることはマイナスじゃなく、むしろそれが救いに繋がるのだ、というメッセージがあるように感じた。先日観た“52ヘルツのクジラたち”にも共通するテーマでもある。

音楽が最高だった。映像や衣装なども含め、全体を通してリュック・ベッソン監督のセンスの良さが光っていた。
エディット・ピアフの歌が流れるシーンは鳥肌が立ち、涙がこぼれた。

悲劇がエンターテインメントに昇華されているのは、まさに芸術の醍醐味。
不屈の魂と利口で忠実な犬たちを讃えたい。
のわーる

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