ホラー映画の観すぎで、DOGと聞かれたらGODと答えてしまう…そんな体質の僕のために作られたのではと、勘違いしそうな冒頭から物語が始まる。もうワクワクが止まらない。ちなみに僕はネコ派。
ただし内容はホラーではなくヒューマンドラマ。虐げられて傷つき、それでも抗って生きてきた男性の人生を描いたもの。
犬を抜いたら、キャラ的にも内容的にもジョーカーっぽいところがある。
犬の行動に愛を感じられるのは、家族から愛されなかったから。傷があることはマイナスじゃなく、むしろそれが救いに繋がるのだ、というメッセージがあるように感じた。先日観た“52ヘルツのクジラたち”にも共通するテーマでもある。
音楽が最高だった。映像や衣装なども含め、全体を通してリュック・ベッソン監督のセンスの良さが光っていた。
エディット・ピアフの歌が流れるシーンは鳥肌が立ち、涙がこぼれた。
悲劇がエンターテインメントに昇華されているのは、まさに芸術の醍醐味。
不屈の魂と利口で忠実な犬たちを讃えたい。