のわーる

男女残酷物語/サソリ決戦ののわーるのレビュー・感想・評価

男女残酷物語/サソリ決戦(1969年製作の映画)
4.9
サソリのメスがオスを喰らうのを幼少期に目撃し、そこから女性を恐れるようになってしまった男…それがこの物語の主人公。歪んだ性癖もそのトラウマが原因。タイトルもそこから来ている。

スタイリッシュな監禁部屋で繰り広げられる男女の攻防。直接的な表現はほとんど無く、暗喩表現と独特な効果音によって“何があったか”を連想させる仕様。

最初は何を見させられているのか分からなかったけど、仕様が分かってくるとどれもこれもメタファーだということがわかる。

これほどまでに観客の想像力に依存した作品は観たことがない。しかも全てがちょっとずつズレていて、いちいちツッコミを入れたくなってしまう。終始、笑いを堪えるのに必死だった。

1969年にこんな怪作があったなんて…。時代を超越する斬新さ。ありのままを映像化するのではなく、観客の想像に委ねているのが凄い。しかも予想外の展開もあり、オチも見事だった。
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