Rovinさんの映画レビュー・感想・評価

Rovin

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エクソシスト3(1990年製作の映画)

3.9

シリーズ3作目。前作の出来に納得のいかなかった原作者が、自ら監督となり仕上げた作品。冒頭から流れるあのテーマ曲、凄惨な手口、衝撃的な展開…それにミステリー要素も加わり、ドキドキ(ワクワク)が止まらない>>続きを読む

マグノリア(1999年製作の映画)

4.5

ロサンゼルス郊外の街を舞台にした群像劇。苦い過去を背負った男女9人のとある1日の物語。全く接点の無い人たちの人生が少しずつ重なり合ってゆく。

それぞれが苦悩や後悔を抱えていて、みんなちょっとずつ不器
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エクソシスト2(1977年製作の映画)

3.3

続編。次回作への繋ぎなんだろうか…?精神世界と現実の行き来を可能にする装置はちょっと反則気味だけど、悪魔のルーツを辿れるので理解は深まる。

ホラーよりSFファンタジーの要素が強め。それほど怖くないけ
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マイ・フレンド・フォーエバー(1995年製作の映画)

4.7

優しくて温かくて切ない。涙無くしては観れない青春ロードムービー。友情って素晴らしいと心から思える映画だった。

エリックのピュアな思いやりと行動力が素晴らしい。ちょっと悪さもするけど、デクスターにとっ
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(2023年製作の映画)

4.3

信長の暴虐な振舞いに怯える家臣たち。出る杭は打たれ、追従すれば蹂躙される。中でも秀吉は特に臆病で姑息だった。

首をとる、首になる、首が繋がる…首は命の証。
様々な思惑が渦巻く戦国時代。カリスマや猛者
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翔んで埼玉 ~琵琶湖より愛をこめて~(2023年製作の映画)

3.7

今回、イジリの矛先を向けられるのは、大阪・京都・滋賀・和歌山と埼玉の浦和・大宮・熊谷、そして埼玉に乗り入れる鉄道各種。
これ以上は何を言ってもネタバレになりそうだから控えておくことにする。

埼玉と滋
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聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア(2017年製作の映画)

4.1

不条理で気色悪い映画。ある日突然、死を突きつけられる家族。裕福でも信頼関係は薄く、それぞれが保身に走る。内面から崩壊してゆく。

スティーブンの罪悪感が招く悲劇。マーティンの非情さは、悪魔というより神
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エクソシスト/ディレクターズ・カット版(2000年製作の映画)

4.7

ホラー映画の原点であり、それでいて最恐と謳われる伝説のカルトホラー。アメリカで実際に起きた事件を基にしていて、当時この映画によって世界的なオカルトブームが巻き起こった。

リーガンの演技とその演出が凄
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スラムドッグス(2023年製作の映画)

4.7

とにかく下品。でも笑ってしまう。下ネタでもちょっとアリな気がするのは、犬だからなのかもしれない。

そして下品なギャグだけでなく、犬の視点の意外性からくる知的な笑いもあり、そのバランスが絶妙。

これ
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.8

“犬神家の一族”や“ミステリと言う勿れ劇場版”のような、とある村の一族に起きた連続殺人事件。その真相には妖怪の影が…。

ほのぼのした場面はほとんど無く、常に悪い予感が漂う不穏な世界観。ストーリーが進
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ラース・フォン・トリアーの5つの挑戦(2003年製作の映画)

4.3

デンマークの巨匠ヨルゲン・レス監督が、トリアーが出す課題に従って5つのリメイク映画を仕上げてゆくドキュメンタリー。

そのリメイク元の作品は、レス監督が過去に発表した短編映画「The Perfect
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ファウスト(1994年製作の映画)

4.2

ある男が謎の地図を辿って行くと、そこには朽ちた館があり、地下には劇場かあった。楽屋にあった衣装を着て“ファウスト”の台本を読んでいるうちに、悪魔メフィストフェレスを呼び出してしまい、契約を交わしてしま>>続きを読む

女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.0

アン王女と幼馴染みの女官長サラは、病気がちな王女の身の回りの世話だけでなく、政治にも口添えするほどの権力を握っていた。ある日、従姉妹のアビゲイルが城に仕えることになるが、王女に気に入られたい彼女はサラ>>続きを読む

火の鳥 エデンの花(2023年製作の映画)

4.9

地球から逃亡したロミとジョージが辿りついたのは、水が枯渇した惑星エデンだった。他に行き場のない二人はこの星で生活しようとするが、水源の採掘中に起きた地震によりジョージが命を落としてしまう。残されたロミ>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.2

ある殺し屋の復讐劇。暗殺失敗の代償に愛する妻が半殺しに遭い、その復讐を誓う。

リアルで人間臭い主人公。完璧な仕事をするために完璧な準備をし、完璧な後始末を行う。その細かすぎる所作と繊細な内面の描写か
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正欲(2023年製作の映画)

4.7

とある事件に関わったマイノリティたちの喜びと純愛、そして苦難と生きづらさを描いた作品。

特殊な性癖を持っていることで、世間に馴染めない人たち。彼らが抱えている孤独の重さが余計に他人を遠ざけてしまう。
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.7

プロデューサー殺人事件の犯人に仕立てられた新人女優のマドレーヌ。ルームメイトの弁護士ポーリーヌと協力して正当防衛を勝ち取り、一躍有名人となる。二人が貧乏生活を脱したある日、その活躍ぶりに嫉妬した真犯人>>続きを読む

イディオッツ(1998年製作の映画)

4.6

知的障害者になりすまして人々を愚弄する活動グループ“イディオッツ”。彼らの行動が人の偽善を暴いてゆく。
彼らの活動に偶然巻き込まれたカレンは、当初は憤っていたものの、次第に彼らに惹かれてゆき行動を共に
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.8

映画監督デビューを目前にして全てを失ってしまった折村花子は、その憂さ晴らしに立ち寄ったバーで運命的な出会いを果たし、再び夢を追うことを決意する。折村自身が経験した“母の失踪”をデビュー作のテーマに決め>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

4.5

旧ロシアのカザフスタンの草原に父親と暮らす少女の物語。親子ののどかな日常と、美しい少女に恋をする2人の青年の三角関係を描く。そして徐々に忍び寄る不穏な影が衝撃的な結末をもたらす…。

雄大な自然、異国
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HARAJUKU(2018年製作の映画)

3.2

日本のサブカルチャーに憧れるノルウェーの少女ヴィルデの物語。母子家庭で暮らしていたヴィルデは、ある日その母を亡くしてしまう。施設に行きたくない彼女は、使者を振り切って逃走する。

目指すのは夢の国HA
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

4.1

KGF、ジョンウィック、イコライザー、そしてSISU…今年は不死身の一匹狼が活躍するバイオレンスアクション映画が大豊作。

中でも個人的にイチオシなのがこのSISU。ネタが新鮮で、脂が乗っている。尺も
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悪い子バビー/アブノーマル(1994年製作の映画)

4.9

「外は汚染されていて部屋から出たら毒ガスで死ぬ」と母親に脅され、暗く汚い部屋で35年間暮らしてきたバビー。あるきっかけにより一人で外の世界へ出ることに。

母親から限られた情報しか与えられなかったバビ
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.2

20世紀初頭のオクラホマ州が舞台。石油を発掘した先住民から、その富を奪おうとする白人たち。その白人の夫と、先住民の妻の物語。

60人以上の先住民が殺害された実話を元にした映画。「インディアンの死は犬
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ミスト(2007年製作の映画)

3.3

大嵐が過ぎ去った翌日、荒れ果てた街を覆ってゆく濃霧…その中には得体の知れない怪物が潜んでいた。息子と買い物に来たデヴィッドは、他の客と共にスーパーに閉じ込められるが…

敵は怪物だけではなかった。パニ
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アンチクライスト(2009年製作の映画)

4.8

目を離した隙に窓から転落…幼子を喪った夫婦。自分を責める妻の心の傷を癒すため、二人は森の奥の小屋で過ごすことに。そこで夫はある事実を知ることとなり、妻は徐々に本性を現してゆく。

暴力あり、グロあり、
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北極百貨店のコンシェルジュさん(2023年製作の映画)

3.6

様々な動物たちが客として訪れる“北極百貨店”。そのコンシェルジュとして働き始めた秋乃の奮闘を描く物語。

サービスとは何か、おもてなしとは何か。
接客や販売の業界ではCS(顧客満足)が大事などと教わる
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キリエのうた(2023年製作の映画)

4.0

歌うことでしか声が出ないキリエ。その絞り出すような歌声にアイナジエンドのハスキーボイスが見事にハマっていた。

歌詞と物語の融合…歌詞を映像化して物語にしたようでもあり、物語に出てくるエピソードに合わ
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(2023年製作の映画)

2.4

とことん陰鬱。登場人物がみんな精神的に病んでいて、会話の中に時折“死”を意識させるフレーズが出てくる。

普通っぽい人がぜんぜん普通じゃない。そしていちばん真面目そうな人物がいちばん壊れやすかったりす
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リトル・ダンサー(2000年製作の映画)

4.8

ボクシングを習っていた少年ビリーは、ある日バレエに出会う。頑固な父に反対されるが、バレエ講師の熱心な指導もあり、ビリーはバレエにのめり込んでゆく。

母を亡くし、祖母と男三人の家族。ビリーの反抗期や父
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ボス・オブ・イット・オール(2006年製作の映画)

4.7

IT企業を経営するラウンは会社を売却する話を進めていたが、それを社員に話せずにいた。みんなに嫌われたくないラウンは、その嫌われ役を雇った役者に演じるよう依頼する。

この役者、記憶力が悪い上にエゴが強
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アナログ(2023年製作の映画)

4.5

手作業による人の温もりを信条にするデザイナーの水島と、スマホを持たずクラシックを愛するみゆき。アナログでピュアな二人の愛と喪失の物語。

原作ビートたけし。悲劇でもちゃんと救いがあるのが彼らしい。そし
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

4.8

愚直な編集長が旅で巡り合う奇人たちと巻き起こすドタバタコメディ。笑われてもバカにされても騙されても、信じた道をゆく編集長。その熱意が人を動かし、道なき道が拓けてゆく。

奇跡はその存在を信じる者に訪れ
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.8

ノルウェーのオスロで同棲するシグネとトーマス。アーティストとして世間から注目されるようになったトーマスに対し、シグネは激しく嫉妬する。違法薬物に手を出したシグネは、その副作用で入院することとなり、トー>>続きを読む

ルー、パリで生まれた猫(2023年製作の映画)

4.7

パリで暮らす少女が屋根裏で見つけた子猫を拾い、共に成長していく姿を描いた物語。

猫の行動全てが愛らしく、それを見守る少女もまた微笑ましい。猫目線のカメラワークが新鮮で、探検してるみたい。
別荘の森を
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死霊館のシスター 呪いの秘密(2023年製作の映画)

3.7

死霊館シリーズの原点の物語。その後編。

前回滅ぼしたはずの悪魔はまだ生きていた…。憑依により機会を窺っていた悪魔は、復活する手段を既に突き止めていた。悪魔復活が目前に迫るのを予知夢で知ったアイリーン
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