Komi

DOGMAN ドッグマンのKomiのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

失恋して慟哭する彼を守るように、彼の身体を包むように身を寄せる犬たち。
人の悲しみに共感、共鳴するその行為に
涙が出てきた。だから犬って大好きだ。



一番よかったのは、人は沢山死んだけど、犬は結局一匹も死ななかったところ(と思う)。

人はいつか死ぬ。神が望む時に。
彼は幼い頃からそれを感じながら生きてきたのだと思う。そのせいか、身の危険は回避しようとしても、最後の瞬間を抗ったりしていないように見える。
神など信じられないような環境で育ちながらも恨むことなく自身を委ねるような感じ。
神というより、運命と言い換えた方がいいのかも?

運命は自分で決めることはできないけれど、立って歩くだけで命が削られるような人生を、悪党の銃の前でではなく、自分語りを完了した後に終わらせる。そんな絶妙なタイミングをそれでも彼は自分で計算し演じたようにも見えた。

彼の言葉や言葉にしない意思すら完全に理解し行動する犬たち。これからどうするのだろう?彼の痛みと似た痛みを知る医師の家族を守っていこうとするのだろうか?


犬たちの演技、上手く動けるように砕身したスタッフたち、すごかったです。
そしてエディットピアフを演じて舞台デビューした時のケイレブ・ランドリージョーンズ氏の演技、鳥肌ものでした。

※「規格外のダークヒーロー爆誕」って…。
なんだかなあ。ヒーローものじゃなくない?
Komi

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