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DOGMAN ドッグマンのkeeeeetのネタバレレビュー・内容・結末

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

2024
22/100

リュック・ベッソンらしいムード重視のバイオレンス系…なのだが最近の作品とは少し毛並みが違う。ちゃんとこの主人公・ダグラスのことを「知りたい」と思わせてくれる。地獄の家庭環境、そこから檻に閉じ込められ、身体は不自由になり、逃げ出した先で恋愛を覚えるも待っているのは「僕が先に好きだったのに」案件。絶望する中、ドラァグクイーンのショーラウンジに辿り着き…と不憫ポイントを順調に貯めながらテンポよく半生が語られていく。この構成が良い。今現在に至るまで何があったか遡っていくシステムのため興味が持続する。(だからこそ“今”を過ぎた先に大仕掛けがあって欲しかったが、回想の中でピークを迎えてしまったのが残念)ケイレブ・ランドリー・ジョーンズの健気さの中に潜むサイコな演技が不気味かつ美しさもある。シェイクスピアが出来れば舞台で万能~的な台詞から、自分が信じているものに関しては一貫してピュアなハートを持っていて何より犬たちに向ける愛は本物。そしてキリストを連想させる壮絶なラスト。存在がリーダビリティのあるキャラクターなのでストーリー面で多少強引な部分があってもそこまで白けずに観ることが出来た。

変な点を挙げればキリはない。「だってリュック・ベッソンだから」と言われればそれまでだけど。
・下半身不随の設定がちょっと曖昧。歩くと寿命縮む的なことを言っていたが、不自由度が見えづらい。
・マフィアの店(アジト?)に犬が侵入して股関ガブーは良いけどその後簡単に逃がし過ぎでは。
・流石に犬がラジコンすぎる。
犬の習性を逆手に取られる、くらいのピンチが少しあっても良かったのでは
・精神科医周りの描写があんまりよく分からなかった(これは自分の読解力不足な気もする)
・謎の阪神ユニフォーム。

色々考えたけどテーマがどうにも掴みきれない。
神に対しては犬にならないよ、最期まで自分は自分に忠誠を誓うよ、ってことなんですかね。
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