アキラナウェイ

DOGMAN ドッグマンのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

DOGMAN ドッグマン(2023年製作の映画)
4.1
『レオン』のリュック・ベッソン監督と『ニトラム/NITRAM』のケイレブ・ランドリー・ジョーンズ主演によるケミストリー。

年々、作品を追う毎にケイレブのヤバさが際立っていく。同じ30代でいえばバリー・コーガンに似たヤバさ。どちらもコミュニティの中でちょっとハズれた異端児を演じるのが抜群に上手い。

ある夜、警察に止められた一台のトラック。運転席には負傷し女装をした男(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)。荷台には十数匹の犬達。その男が語り始めた壮絶な半生とは—— 。

"DOGMAN"だけど、彼自身のセクシャリティは女性?

父親からの暴力と虐待の果てに金網越しの犬小屋で犬達と暮らす事を強いられた少年時代が壮絶過ぎる…。絶望しかなかった彼の空虚な瞳が印象的。

賢い犬達の助けを借りて、何とか犬小屋から脱出をした後、両脚が不自由になってしまうもステージで歌うドラッグクィーン達に魅せられていく。

もう何せワンコ達が優秀で、セレブ宅に夜な夜な盗みに入るワンコ達の華麗な仕事ぶりが楽しい。

ダークヒーロー的な圧倒的な強さを期待していたけど、そこは少しばかり期待外れ。流石に街を牛耳るギャングを相手には余裕も無さそうだったけど、ここでも賢いワンコ達が大活躍。

リュック・ベッソンが実際の事件を参考にしたらしいんだけど、こんな厳しい人生を強いられた人が実際に居たのかと思うと言葉も失う。

『ジョーカー』の続編が賛否両論を巻き起こしているまさに今、ホアキンの後を追うかのように怪演を魅せるケイレブに目を奪われる。

そうか、絶望の果てと地獄の底を見た者はその顔にメイクを施し、自分とは違う何者かに変わる変身願望を持っているものなのかも。

ワンコ好きは観るべし!!