評価が良かったこと、予告が気になったので
観ることにしました。
出演者のあまりにも自然な演技と日本らしい
九州の風景から、どこでも起きうることで
日本が抱える重大な問題のように感じさせられる
作品だと思いました。
個人的には構成がかなり印象的で、掴みで衝撃的な
画を、回想と現実を織り交ぜて父と義母の周囲の
人からの証言を辿って紐解いていき、最初の場面の
裏側が分かる作りとなっていました。
序盤はこの親にこの子ありだなと思い、
中盤では時代錯誤な父親の振る舞いに嫌気が
さして哀れさを感じつつ研究者?学者?として
堂々とした姿を見ると複雑に思い…
最後の"私の閉ざされた心はあなたの形をした
鍵でしか開かない。私の心はあなたでしか
震えない"という手紙に何とも言えない気持ちに
させられました。
周囲の意見など関係なく、2人は大真面目に純愛を
通して30年も共にした必要な存在を失う…
これがタイトルの意味だったんだな、と。
最後に残ったのは呆れに近いかもしれません。
そして、卓は森山未來にしかできない役だったな
と思いました。
(不気味な音楽にミステリー感を擦り込まれて
父親の認知症の苦悩があまり伝わってきません
でしたが、いつか自分もこうなるかもしれないと
不安な気持ちになりました)