このレビューはネタバレを含みます
前作を鑑賞したとき、もうオリジナルストーリーの長編映画を本タイムラインの中に挟み込むのは難しいかと思っていたが、まさか最終決戦前を舞台にもう一本製作されるとは...
しかも出久達が相対する敵役が、オールマイトがかつて投げかけた言葉を自分のみに当てられたものだと思い込んだ、彼の名を騙る存在、というアイデアに唸った
そのダークマイトは、ビジュアルを目にした第一印象に違わぬ卑俗さを纏っており、独善的な憧れに端を発する無理解な言動の数々に、良い意味での“薄っぺらさ”を感じるキャラクターだった
三宅健太さんによる、オールマイトとの演じ分けもお見事
そんな彼とは対照的に、一挙一動からオールマイトの言葉に応えていると瞬時に判る出久ら1-Aの、プロヒーローに劣らぬ活躍ぶりが目覚ましい
結局最終戦のメインを出久・爆豪・焦凍の三人が張る点には意外性の欠落を感じるけれども、前作から本作に至るまでの成長が画によく表れていて、勝手ながら誇らしく感じた
本作のゲストであるジュリオは行動のバックボーンまでよく描かれており、(作品世界の職業としての意味ではない)いちヒーローの物語を観ているかのような感覚を抱かせてくれる、素敵なキャラクターだった
時系列は緊張感の高まっているタイミングながら、コミカルな場面も想像以上に挟まれていて、前三作と同様気軽に楽しめる
次作が公開されるとしたら、本編後の話になるのかな?