ある閉ざされた雪の山荘でのDJUMEのネタバレレビュー・内容・結末

原作を読まずに拝見。
あまりサスペンス映画慣れしていない小生は見始めるやいなや推理を始めてしまうが、誰が犯人かを推理する観客の心理を逆手に取った三重構造はまさに無理ゲー。
エンディングはさらに一枚上手な四重構造だが、よく考えると全てを知る東郷先生の演出による一重の構造だったのだろうか。
そのレイヤーの中で演者たちが「現実」と「嘘偽り」を使い分けそれぞれの「目的」を果たし「真実」に辿り着く様子は舞台そのもの。
気になったのはあまり取り立たされていないが最期の「嘘」についての台詞。「嘘」と「偽り」は同じくくりにされることもあるが「偽り」の方が「嘘」よりも意識的で作為的という意味がある。劇中でも役者における「嘘」についての台詞もあった。作為的であれば「偽り」とするはずがなぜ「嘘」としたのか。
やはり心残りが多いので原作が余計に気になるのが一番の感想といったところ。あとは本当に舞台化されたらおもしろそう。