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ある閉ざされた雪の山荘でのRのネタバレレビュー・内容・結末

ある閉ざされた雪の山荘で(2024年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2024年の日本の作品。

監督は「ステップ」の飯塚健。

あらすじ

劇団水滸に所属する6人の若き劇団員とオーディションで勝ち抜き、外部から参加した久我和幸(重岡大毅「禁じられた遊び」)は新作舞台の主演を争う最終選考のため「大雪で閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションで行われるシナリオに参加するが、そこで劇団員たちが1人、また1人と消えていく。果たして、これは本当の連続殺人事件なのか?

今年公開して、なんか(見た感じ)こんな王道的ミステリー、しかも日本の作品って珍しいよなぁ…と少なからず気にはなっていたんだけど、残念ながら予定が合わず劇場では観れなかったんだけど、アマプラで早くも配信されていたので、じゃあ観てみるか!と鑑賞。

ちなみに、観た人の感想だったり、動画を見ると割と酷評の嵐だったので、そこまでハードルを下げずに観たんだけど…。

うん、まぁやっぱそこまで面白くはなかった…。ただ、あんまりハードルを上げなかったこともあり、そこまでつまらないとも感じず、個人的にはまあまあ楽しめたかなという感じ。

お話はあらすじの通り、原作は日本のミステリー作家の中でも有名でポピュラーな部類に入る東野圭吾。ただ、恥ずかしながら俺自身は未読。

で、今作のキモの部分として、実際に「閉ざされた山荘」で殺人事件が起こるのではなく、新作舞台のオーディションで集められた人たちが「閉ざされた山荘」という架空のシチュエーションの中でシナリオを演じている中で実際に殺人事件が起こってしまうという、王道に見せかけた変則的パターン。

だから、実際には「じゃあ、ここは雪の山荘!」と言った瞬間に(あたかも実際に)雪が降り始めるし、厳密には「閉ざされてもいない」(まぁ、外に出たら失格っていうルールはあるけど)。

もっと言ってしまえば、劇中では3人「殺されてしまう」んだけど、死体すら出てこない。この人が殺されたと分かると、え、なんでここだけ無駄にハイテク?と一瞬思う壁上に文字が投影されて、大物声優、大塚明夫が声を当てる東郷陣平の声でその殺されたシチュエーションが説明される。

で、推理劇も始まっていくという感じなんだけど…。

まぁ、そもそもが上記の通り、え?これ始まってるの?と観客側もこれが本当に起こっているのか、それともあえてのトラブルなのかわからない上に、え、じゃあこれリアルじゃん!とわかるタイミングもものすごくぬるっと入っていく。

ただ、死体はないわけで、そこまで衝撃もないまま、殺人が起こる前からギスギスしていた劇団員たちが更にギスギスしていく様を見せられるだけなので、まぁうーんとなるのもわかる。

加えて、本作、割と掟破りのことをやっちゃっててそれがアリバイを作るために主人公の久我が仲間の1人の本多(間宮祥太郎「変な家」)に一晩一緒に過ごすことを持ちかけるシーン。

要は一晩共に過ごしてお互いを赤い縄(ここだけBL要素高め)で腕を結んで一晩何も起こらなければお互いのアリバイが証明されるということなんだけど、いや、めちゃくちゃ合理的だけどそれやったらミステリーとして反則技じゃね?っていう。

あと、関係ないけど翌朝なぜかその赤い縄がハート型になってて「NARUTO」のナルトとサスケのラストバトルのシーンを彷彿とさせるw

ただ、まぁそれは百歩譲っていいとして、1番えぇー!となったのが最終日、最後の1人も殺されちゃって、じゃあ犯人は?ってなった時に犯人探しが始まるかと思ったら、実は1番怪しいやつと殺されるやつを除いた3人が監視カメラ設置して同じ部屋で過ごしてました!つまり、あなたが犯人です!って一気に解決しちゃうってそれはいくらなんでも掟破りが過ぎやしませんか?そもそも、あらかた目星ついてるなら殺されそうなやつも匿ってやれよ笑笑。

まぁ、流石にそれで終わっては味気ないと思ったのか、そのあとまた一悶着があったり、一応の「どんでん返し」要素はあるんだけど、なんか安っぽいメロドラマ的でなんだかなーという感じ。

ただ、それでも飽きずに観れたのはやっぱ主演の俳優陣が良かったから!主人公久我を演じた重岡君も探偵役がビシッとハマってたし、間宮祥太郎は安定していい演技だし、岡山天音(「笑いのカイブツ」)はキモさもありつつ、やっぱ上手かったし、いつもはコメディリリーフ役が多い戸塚純貴(「翔んで埼玉〜琵琶湖より愛を込めて〜」)の割と真面目なリーダー役も新鮮だったし、演技を見るのは初の堀田真由(「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」)の悪女っぷりも良かった。

演技面に不安が残る中条あやみ(「あまろっく」)や西野七瀬(「トラペジウム」)も今作では割と自然に演じていた、つか、全体的にイケメン美女揃いすぎだろ!そういう意味でも絵面的にキラキラしていて良かったなぁ。


という感じでミステリー要素は2時間ドラマの域を出ないような出来ながら、若き実力派俳優陣の演技力と絵力の煌びやかさもあって、それなりに見応えはある作品だった。まぁ、配信で見る程度にはサクッと観れるし、いいかもです。
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