バビ・ヤールと共通のフッテージがある。あれはこのキエフ裁判のアーカイブだった。公開絞首刑の映像は2度目でも怖すぎてしばらく震えた。
この作品は、ドイツの被害性を描いた「破壊の自然史」とセットで観ることに意味があるのかな。戦時中のソ連軍の行為については不問としているであろうこの裁判だけを聞くのはフェア（という言葉はおかしいけど）ではない気がする。それでもドイツの残虐行為はけっして許されることではないし、淡々とした語りからはやはりドイツ軍に人間の心があるとは思えないんだけど、「戦争歯車の一部だった」と言う被告らの気持ちもわかってしまい哀しみしかない。あの時代あの場所にいて命令に背ける人がいたのだろうか。
