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ぼくは君たちを憎まないことにしたのrebのレビュー・感想・評価

3.1
2015年11月15日に起きたパリ同時多発テロ事件。死者130名、負傷者300名以上。
11区にあるバタクラン劇場のロックコンサート中にもテロリスト達が乱入し銃を乱射して、ジャーナリストのアントワーヌの妻エレーヌが亡くなる。
最愛の妻を失い、生後17ヶ月の息子メルヴィルと2人残されてしまったアントワーヌは、憎むべきテロリストへと、あるメッセージを綴る。
こういう大規模な事件でたくさんの死者が出てしまった場合では、遺体と対面するのもなかなか時間がかかるんですね。
待っている遺族の辛さはいかばかりかと。
そして新聞の一面を飾ったというメッセージ。これは確かに、憎しみと悲しみに動揺するパリの人々の心に響いたことと思う。
でもですね。お棺やお墓を決めなくてはならない時に、親戚(特に奥さんの母親や姉妹)に邪険な態度をとったりするのはどうかなぁと思った。
悲しんで誰かに当たりたいのはわかるけど、悲しんでるのは自分だけじゃないし、出来なければ文句言うんじゃなくて、最初から誰かに全部任せればいい話で‥。
あと、保育園のママ友が善意で作ってくれたスープがクソ不味いからって、子供と一緒に茶化しながらトイレにドバドバ捨てちゃうってのはどうかと。
この辺の描写は、アントワーヌが聖人君子ではなく、また元気のない子供を楽しませたいという父の愛情表現だろうとは思うが、もう少し描きようがあったのではないかと残念。
まぁ当時3歳だったというメルヴィル君の演技は、もう言うことなく素晴らしく天使そのもので、涙涙でした。天才100点!
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