ときたまごsss

52ヘルツのクジラたちのときたまごsssのネタバレレビュー・内容・結末

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

8ヶ月前に原作小説を通読

杉咲花さんと志尊淳さんが素晴らしい!

杉咲花さんが天使も悪魔も演じることができる凄まじい俳優であることは、今更言及するまでもないくらいの周知の事実であると思いますが、演技の幅(声の使い分け)がより広がったように感じました

志尊淳さんは、Instagramの質問箱にて、アンチのような絡まれ方をされたのにも関わらず、真摯に向き合って説明する姿勢と言葉がTwitter(X)で広く賞賛されているように、本作のアンさん役を演じるにあたっても勉強して努力されたのでしょう。僕は彼が表舞台に登場した時からファンなので、病気から復帰し勉強と努力を継続し続けている姿勢に励まされ嬉しく思います。

ただ作品に関しては、これだけシリアスなテーマであるにも関わらず、原作小説が大衆小説であるように、あくまでエンタメの域を出ないなと再認識しました。
たとえば、宮沢氷魚さん演じる主税は、わかりやすくパートナーにするには"危険な男"であり、ストーリーを展開するためだけに用意された古今東西数多の物語に登場するような典型的な浅い人物造形に過ぎないように感じます。(俳優の問題ではなく)
そして特に納得できないのが、アンさんが浴槽で自殺している姿を映したことです。
あの場面を映していいのは/見てもいいのは、現実から目を背けることなく見つめ続けてきた人だけだと強く思います。