アラー

52ヘルツのクジラたちのアラーのネタバレレビュー・内容・結末

52ヘルツのクジラたち(2024年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

すごい久しぶりに邦画で当たりをひけた。

題名にもなっている「52ヘルツのクジラ」はどれだけ叫んでも誰にも声が届かない。この作品の中では親や恋人に暴力を受けていた「きなこ」や、性的マイノリティである「あんさん」、親に虐待されていた「少年」がそうだ。本来ならそれぞれが孤独に生きるしかなかったが、あんさんがきなこを救け、きなこが少年を救けた。人の優しさと醜さがよく表現されているヒューマンドラマだと思う。

最初にあんさんを見た時は髭の生え方が不自然だし、アイスキャンディーの食べ方気持ち悪いし、ちょっとクサイなと思っていたが、性的マイノリティだと知り納得した。
きなこも親の虐待の影響で世間知らずだからかDVをする男を魂の番だと思い込んでしまう点等がリアリティを感じて凄く引き込まれた。細かい所までよく出来ている。

この作品を観て自分がいかに恵まれているか考える事が出来た。まだ学生であまり出来ることはないけれど、身の回りにもし52ヘルツのクジラがいるのなら気付いてあげれる、頼ってもらえる。そんな大人になりたいと思った。
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